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もともとは禅宗各派で用いられることの多い曲録は、背から肘掛が流麗な曲線を持つ一木で作られた、いわゆる椅子である。 「録」という字は、漢和辞典で引くと「木を刻む」という意味で、正字は禄という形で、いずれにしても、木を刻んで出来た形をとった字型であるそうだ。 曲録といえば、ろくの字の音から出た書き方であろうし、曲木といういいかたでは、その流れるような曲線を描く木製品である一点を注目して当てた用字である。 日本で最初の仏教辞典といえば、江戸時代の寛保末年(1744)に、92歳の天寿を全うして示寂した無著道忠の『禅林象器箋』二十巻は、道忠が20歳から80歳余りまで書き続けた大著である。 そこには、形状が「曲録然」としていたので当初曲木といったものが、木がとれて曲録というようになったと記している。とすると、 曲録と曲木とは省略の一字が木であったか録であったかの結果で、同根の表坦であったということになる。 さて曲録が、木を巧みに曲げ刻んで作った椅子ということになると、起源は遥か彼方にさかのぼってみることも可能である。 言うまでもないことであるが、これら一連の曲録は、直接座する畳には不要なもので、大陸様の石畳、堅牢な板敷の道場において、 必需品であるわけで、奈良から平安、そして禅宗に用いられることは当然である。現代の仏殿も椅子式になってきているから、日本の曲録第三次ブーム到来の可能性がある。 |
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